人に優しく

宅配便でカーテンが届いた。届いたのは、氷結24缶パックを横に2つ並べたくらいの箱で、本当にカーテンが入っているのか疑問に感じる。 まだ開けていない。開けたら設置までしなければならない気がするから。それには精神的な助走が必要になる。今日は割と調…

堅実に働く

引っ越しをして、家から職場までが少し遠くなった。通勤の日は早く起きなければならない。どうせ生活が変わるのならと、時差出勤にして、さらに30分早く仕事を始めるようにした。すると、夜は早めに寝る必要があるのだけど、生来寝つきが悪く、23時台になど…

引っ越しました

引っ越した。引っ越してみると、いろいろなものがない。照明は2つ未設置で(配線がむき出し)、一部の壁紙も貼られていない、ポストも外水道もできていない。そのうちにできるのだと思う。意外になんとかなる。ポストの代わりに段ボールを置いていて、その…

1リットルビール

酒を飲みに行き、ビールなら大きいサイズが得だと言われたので頼んだ。1リットル以上あるビールが千円ちょっと。それが安いのかどうかはもはや分からない。想像を絶するサイズだった。そもそも通常のビールとは、どのくらいの分量でいくらくらいするものだ…

ウクライナ戦争のアメリカ責任論 『第三次世界大戦はもう始まっている - エマニュエル・トッド - 』

第三次世界大戦はもう始まっている (文春新書) 作者:エマニュエル・トッド 文藝春秋 Amazon ウクライナ戦争のアメリカ責任論というのをたまに聞く。日本だと、佐藤優などが主張している。本書は、日本でも(たぶん)人気のエマニュエル・トッドが、現在の戦…

あらすじ、不条理について、など 『異邦人 - カミュ - 』

簡単なあらすじ 「きょう、ママンが死んだ」有名な冒頭。この小説は主人公(ムルソー)の母親の死から始まる。第2次大戦前のフランス領アルジェリアの首都アルジェ。ムルソーは母親の死に、悲嘆する態度を見せない。そのことは葬式の場で、養老院の院長や門…

夢のような二日酔い、本(『いつも彼らはどこかに - 小川 洋子 - 』)

金曜日、野毛の方面で酒を飲んだ。一軒目に「動物園通りもつ肉店」、二軒目は「田舎屋」という店に行った。一軒目がQRコードで注文する現代的な店だったのに対し、二軒目は昭和の名残りみたいな店だった。田舎屋は店の構えが小さいからか、金曜日なのに意外…

カナヘビの脱皮、バッハ、本(『パルプ - ブコウスキー - 』)

パルプ (ちくま文庫) 作者:ブコウスキー,チャールズ 筑摩書房 Amazon 大人になると何でも飼うことができる。それはとても良い。いまはカナヘビを飼っている。エサをやろうとケージを開けたら脱皮中で奇怪な姿になっていた。ぼろぼろ。重篤な病気になったのか…

石のケーキ、本(『落日燃ゆ - 城山三郎 - 』)

子供に話しかけられることがよくある。子供が寄ってきやすい性分なのだと思う。それが猫だったり、女の人だったりする人もあるだろう。近くに親がいれば相手をする。いないとちょっと困る。今日はケーキがあるからと呼ばれ、石を渡された。ケーキとして食べ…

雨が降る、本(『吉野葛・盲目物語 - 谷崎潤一郎- 』『風林火山 - 井上靖 - 』)

ジョギングをしていた。気が付いたら重たい感じの雲が四囲にあり、今にも雨が降りそう。標準からは少し軽い体重でも、明らかに余分な肉がついている。30分くらい走って、ようやく200kcalの消費、それは茶碗1杯のご飯程度の分らしい。雨を気にしている場合で…

首が痛い、映画(『東京物語』)、本(『発達障害』など)

東京物語 小津安二郎生誕110年・ニューデジタルリマスター [Blu-ray] 笠智衆 Amazon たぶん生得的に首が弱くて、定期的に痛めてしまう。首が痛いとおおくの動作が困難になる。「金がなくて首が回らない」とはよく言ったものだと思う。なにかをしようにもどう…

超暴力! 『時計じかけのオレンジ - アントニイ・バージェス - 』

時計じかけのオレンジ 完全版 (ハヤカワepi文庫 ハ 1-1) 作者:アントニイ・バージェス Hayakawa Publishing/Tsai Fong Books Amazon 同名の有名な映画の原作。近未来の管理社会で、少年たちは手あたり次第の暴力をふるう。その世代だけに伝わる語彙。断絶さ…

一貫した斜め 『中原昌也の人生相談』

中原昌也の人生相談 悩んでるうちが花なのよ党宣言 作者:中原 昌也 リトル・モア Amazon 中原昌也の書く本は筋書きがわからない。断片みたいな文章がずっと続く。どこまでが一連のプロットなのかも不明だ。でもとても面白い。インタビューを読むと、「文章に…

菓子、本(『鳥獣戯画』)、野毛

職場で同僚から菓子をもらった。コロナで休んで心配をかけたからと言う。そんなことをする必要はないけれど、菓子は用意されていたので受け取る。チョコレートの詰め合わせだった。おいしそう。 磯﨑憲一朗『鳥獣戯画』を読んだ。途中までは多少おもしろかっ…

100年前の閉塞 『ダブリンの市民』 - ジェイムズ・ジョイス -

ダブリンの市民 (岩波文庫) 作者:ジョイス 岩波書店 Amazon 現代は閉塞感に溢れた時代のように言われる。実際に資本主義の行き過ぎ(格差の拡大や異常な能率主義)やグローバリズムへの反動(民主主義の空疎化)などはどこかで巻き返しが必要だろう。ただ、…

問題は英国ではない、EUなのだ - エマニュエル・トッド -

問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論 (文春新書) 作者:エマニュエル・トッド 文藝春秋 Amazon 世の中にエマニュエル・トッドを読む人は意外に多いのだと思う。大きい本屋なら、新刊が平積みにされている。数千円する大部の本をそれだけ好んで読…

女が嘘をつくとき - リュドミラ・ウリツカヤ -

女が嘘をつくとき (新潮クレスト・ブックス) 作者:リュドミラ ウリツカヤ 新潮社 Amazon 嘘に関する短篇集。人が生きるために嘘をつくとき、それは必ずしも物質的な理由だけではないと思う。世界は個人の尊厳を守るために存在しないし、周囲の人間だってそん…

鱒釣り

マスを釣りに行った。見たこともない山道を、1時間以上車に乗った。そこは一緒に行った人の仕事関係の場所だった。誰かに見つかっても問題にはならないけれど、多少咎められる可能性があると言っていた。 僕は自分では釣りをやらないけれど、釣りをする人が…

喪失と失望『どちらでもいい - アゴタ・クリストフ』

どちらでもいい (ハヤカワepi文庫) 作者:アゴタ クリストフ 早川書房 Amazon この世の何処にも、父がわたしと手をつないで散歩をした場所はありません。 ハンガリー出身の亡命作家。フランス語の作家だけれど、フランス語はけっして母語ではないと自伝に書い…

苦闘する効用主義『バイ貝 - 町田康』

バイ貝 (双葉文庫) 作者:町田 康 双葉社 Amazon 私たちは、生きているだけでお金がかかる。なので稼ぐ。稼ぐには働かなければならず、働けば少なからず鬱が発生する。鬱を多く抱えていては幸せになれず、できるだけなくすようにしたい。どうしたらよいか。お…

『太陽・惑星 - 上田岳弘』

太陽・惑星(新潮文庫) 作者:上田岳弘 新潮社 Amazon テクノロジーの話を聞くのが好きだ。成果であるところの製品はそうでもないのだけど。スピーカーと会話する必要はないと思うし、エアコンの操作は自分でする。ただ、技術の粋を尽くした先がどこに繋がる…

「ねじまき鳥クロニクル 第2部 第3部」

『ねじまき鳥クロニクル 第2部 第3部 -村上春樹』 ねじまき鳥クロニクル―第2部 予言する鳥編―(新潮文庫) 作者:村上春樹 新潮社 Amazon 内容を忘れていたのだけど、人間の持ち得る悪意について書かれた小説のようだった。読んでいてかなり消耗する(おも…

『死んでいない者 - 滝口悠生』

死んでいない者 (文春文庫) 作者:滝口 悠生 文藝春秋 Amazon どこかの山間部で葬式が行われる。故人の直系の兄弟や、さらにその子供などが集まり、思い出話などをする。親類は非常にたくさんいる。あまり脈絡なく、次々に出てくる。 それぞれの人間は個別の…

『ねじまき鳥クロニクル 第1部 - 村上春樹』

「ねじまき鳥クロニクル 第1部」村上春樹 ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編 (新潮文庫) 作者:春樹, 村上 新潮社 Amazon 村上春樹が好きで、いろいろな小説を頻繁に読み直すのだけど、「ねじまき鳥クロニクル」は久しぶりに読む。1つには、けっ…