夢のような二日酔い、本(『いつも彼らはどこかに - 小川 洋子 - 』)

金曜日、野毛の方面で酒を飲んだ。一軒目に「動物園通りもつ肉店」、二軒目は「田舎屋」という店に行った。一軒目がQRコードで注文する現代的な店だったのに対し、二軒目は昭和の名残りみたいな店だった。田舎屋は店の構えが小さいからか、金曜日なのに意外に空いていた。いろいろな日本酒を小さめの瓶で頼める。調子よく飲む。気が付いたらすごい酔っていた。

 

酒の後悔は次に活かされない。次はもう少し抑えようとたびたび思うのに。昨日は日中をほとんど寝て過ごした。いくらか良くなったのは夕方になってからだった。どんな過ごし方をしても、住宅街の向こうであっても、夕焼けは映える。

 

『いつも彼らはどこかに - 小川 洋子 - 』

穏やかに少し狂った人たちのことが書かれている。他人に脅威を与えないけれど、明らかに普通の世界からはずれている。小川洋子はその類の小説をたびたび書くので、そういうモチーフが好きなのだろう。実際、とても魅力的だと思う。たまに未読の短篇集を見つけるととても嬉しい(ほとんど読んでるから)。本作では、説明がされ切らない、不思議な短篇が多い。「ハモニカ兎」「断食蝸牛」などは何か腑に落ちない、不穏な終わり方をする。そうかと思えば、最後の「竜の子幼稚園」は、すばらしく感動的だった。とてもよかった。