『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』 - 村上 春樹 / まさに村上春樹的世界

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上)(新潮文庫) 作者:村上春樹 新潮社 Amazon 村上春樹的な世界というのがあると思う。作家が見る世界の成り立ちがある。優れた作家には大なり小なりそういうものがあるのだと思うけど、村上春樹にはそれがと…

「純真なエレンディラと邪悪な祖母の信じがたくも痛ましい物語」 - ガルシア・マルケス

純真なエレンディラと邪悪な祖母の信じがたくも痛ましい物語: ガルシア=マルケス中短篇傑作選 作者:G・ガルシア=マルケス 河出書房新社 Amazon ガルシア・マルケス 1928-2014 コロンビアの作家・小説家。代表作は「百年の孤独」。1982年にノーベル文学賞を…

午後のサッカー、「深い河」

新宿方面へ行く。遠出が苦手なので滅多に行かない。土曜日の昼頃で、空いていると思った電車は人でいっぱいだった。これだけの人がどこへ行くのだろう。新百合ヶ丘あたりでさらに混み合って、そこからは本を読むのも難しくなり窓の外を見ていた。 隙間なくた…

バーナー、「数学を使わない数学の講義」

テレワーク。家から一歩も出ない。ウェブ会議で関係先との進捗共有もできる。テクノロジーの進歩も動かないでいいという点でありがたい。薪ストーブをバーナーでつけるようになった。革命的に火つけが楽。ブラジル食材店で買ったチーズ入りコロッケがおいし…

年末のSpotify、「私たちはどうつながっているのか」

年末になるとSpotifyがその年に聴いた音楽をプレイリストにしてくれる。けっこう楽しみにしている。今年一番聴いたのはバッハ、二番目はSonicbrat、三番目はハロルド・バッドだった。ミニマルなものばかり。次にビリー・アイリッシュが入っていたけれど。あ…

「ドレス」藤野 可織

ホラーとSFが混在する話を集めたような短編集。正気と狂気のグラデーションは境が曖昧で、しかもおかしいのが主人公なのか周囲の側なのかが今ひとつ判然としない。一つ一つの話は短いので、急に断ち切られるようだった。でも実際の生活は続く。そういうのは…

内心のホールデン、「幸福な死」

電車でよぼよぼの爺さんが席を譲ってもらえず、杖をついて立っている。たまに電車の揺れに合わせてよろめく。そういうのを見ると、うまく組成されなかった世界に責任の一端を感じて傷つく。心のなかのホールデン・コールフィールドが、案に相違して歳をとっ…

注文できない回転寿司、「あるクリスマス」

友人と会うために、平塚のオリンピックというモールで待ち合わせた。電飾がキラキラ綺麗なのに人が少なく、僕が知ってる頃より寂れてしまったのかと思ったら、閉店の15分前くらいだった。安心した。女の子が2人、不思議な踊りを動画で撮っていた。そういうの…

芋掘り、帰省、「サンデルの政治哲学」

午前、子供と芋掘りをした。結構取れた。今年から野菜を作り始めたので、土ができておらず不思議な形の芋が多い。それも少しおかしい。来年、再来年と続ければ、段々とそういうことも少なくなっていくだろう。子の成長と、土の成熟と。 サンデルの哲学の解説…

カキフライを食べない、「グランド・マザーズ」

仕事のすごく偉い人の現場の案内をした。顔馴染みの守衛さんに偉い感じの人たちが来てますよ、と言われ、向かうとまさにその人たちだった。遠目にも偉そうな人たちで守衛と笑う。何が違いを出しているのだろうと話す。着ている服だろうか。それともたたずま…

子供の増殖、「ハーバード白熱教室講義録」

昼、子供がメザスタというポケモンのゲームをやりたいと言うので近くのイトーヨーカドーに行った。良いカードのようなもの(タグというらしい)は、こちらでは当たらず、隣の子は2回出していた。運というのはバラつきがある。ゲームも現実と変わりない。 帰…

ChatGPTとの対話、「地下鉄道」

ChatGPTを英語の勉強などに利用している。公開中のバージョンに3.5と4.0があり、前者は無料で使える。2つのバージョンがどう違うのか、3.5に聞いたところ、私のデータは3.5時点のものだから知らない、と言われた。私たちはどこへ行くのか、は知らない、と。…

星座はわからない、「プールサイド小景・静物」

家でインフルエンザ禍が続いている。子供の熱は下がったけれど、しばらくは家にいなければならないらしい。帰宅してからそっと散歩に連れて行く。星座を聞かれて何も答えられなかった。オリオン座しかわからないし、それさえこの辺りは夜空が明るくて見えに…

梅屋の思い出、「茶の本」

出張先で打合せをした。法律用語が行き交う。神妙な顔をして座っているしかない。打合せの主宰なのに、議論されている内容に確信が持てない。諦めないように努力する。終わってから身内側の人をつかまえて、解釈の答え合わせをしてもらった。打合せ自体と同…

カレー、「老妓抄」

庭に春菊とニラを、プランターにイチゴを植えた。秋野菜は虫が少なくて初心者にも取付きやすいらしい。コニファーという樹は前庭に植えた。 昨日、カレー屋に混雑で入れなかったので、自分で作ることにした。近所の「業務用スーパー」という名のスーパーは外…

カブトムシの土、「ツィゴイネルワイゼン」

カブトムシの幼虫の土を替えた。ふるいを買ってきて、フンなどを除いて使えるだけは再利用もする。幼虫は日に日に大きくなる。元は梅酒をつけるための容器だった瓶に入れてるのだけど、数匹いると手狭になってきたようで、頻繁に土の上に出てくる。大きくて…

キノコハンバーグ

ずっと気が重かった打合せが終わった。全員が話したいことを話し、統制がとれない。とても疲れた。でもようやく1つ終わった。来週からもそのような仕事がいくつかある。少しずつ終わると考えるしかない。ありきたりな考え方が、疲れたときには助けになるの…

横須賀のパブ、「ワインズバーグ、オハイオ」

出張で横須賀に行った。横須賀中央駅から、栄えてる方とは逆に歩く。人は少ない。たまにいても高齢の人で、後ろを歩くと結果的に自分もゆっくり進むことになる。景色を眺める。南国っぽい街路樹が植えられている。ソテツや背の高いヤシみたいな植物。ヤシみ…

同窓会、「友がみな我よりえらく見える日は」

気分の浮き沈みが激しい。まわりの人が合わせてくれている自覚がある。申し訳ない。前に在籍した部署で集まろうという話になった。人集めを任されたので連絡する。意外に皆が来ると言ってくれる。人間の本質というのは、僕が前提としているほど苛烈なもので…

スイカゲーム、「若い読者のための短編小説案内」

スイカゲームというのが流行っているらしい。子供がやっているのを後ろから見る。やってみるように言われた。2,700点だった。3,000点いくとなかなかのようだった。Switchでしかできないみたい。 村上春樹「若い読者のための短編小説案内」を読んでいる。深く…

散髪、「カタストロフ・マニア」

髪を切った。今まで頼んでいた美容師が辞めてしまったので、新しい人に切ってもらった。散髪中は、中華街にカレーの名店があるとか、徹夜で飲むと深夜2時過ぎからが辛い、といった話をした。そういう、バスの待合所で天気の話題を出すような社交性が存在す…

美術品、「微笑む人」

画廊で美術品(彫刻?)を買った。高価な趣味だと思っていたけれど、案外普通の人でも手が届きそうなものもあった。届かないものもあった。一ヶ月ほどで配送されるらしい。楽しみにしている。 今週は月曜日が休みなので平日が少ない。ラッキーだ。ついでにも…

燻製の結果、「異郷の友人」

昨日、燻製をした。友人も来たけれど、二人で話してもスモーク器の使い方はわからなかった。炭火のバーベキュー台の上に設置した。本当はガスレンジなどの方がいいらしい。火力が安定するからだろう。炭火の状態次第では、盛大な煙を出すかまったく出なくな…

燻製をする

スモークのセットをもらった。バーベキューセットで燻製を作れるものらしい。食材やスモークチップは別に用意する。普段、燻製をわざわざ食べることもないのだけど、せっかくなのでやってみようと思う。1人だと持て余しそうなので友人も呼んだ。泊まってい…

ボランティア

子供の運動会があった。ボランティアで案内係をした。たまにトイレの場所を聞かれたりする。しばらくすると、皆がトイレの場所など把握してしまい、まったくやることがなくなった。放送を聞いて、雲を眺め、日陰がないのでどんどん日に焼けていく。鼻がヒリ…

電話ばかりしている

朝からたくさんの電話をかける。だんだんと神経が鈍くなってきて、ずっとそんな生活をしていたような気がしてくる。話すのは苦手なのに、不安が先に立つのでどうにか帳尻は合わせられる。ただ、心配するほどの悪い人は少ない。むしろ多くの人が親切だったり…

見えないシャトル

久しぶりに全力で走る機会があり、体が重たくなったことを感じた。日頃運動はしない。大人は普通走らないから、と合理化を図りたくもなる。太りたくないとは思う。 茂木健一郎「意識とはなにか」を読んだ。主観的経験の最小単位(見たり聞いたりすることの感…

リハビリ仕事、AIによる病名診断

仕事をした。思ったよりできた。リハビリみたいな仕事の仕方をしている。AIで病名診断をするサービスを試した。適応障害の可能性があるようだった。ストレスから離れるべきらしい。それはすごく難しい。 原田マハ「あなたは、誰かの大切な人」を読んだ。捻く…

元気な人たち、「族長の秋」

担当業務に増員があって新しい人を紹介された。元気な人でとても気圧された。僕は現在ぜんぜん元気ではないし、この状況で元気と接するのは暗い部屋で急に強烈な光を当てられるような気持ちになる。 定時で帰る。元気がないので仕方がない。やるべき仕事があ…

ポストの設置、家の未完成

雨が降っている。昨日の夜からずっと小雨が続いている。子供の幼稚園の運動会は延期になった。夏の大雨と違って静かで落ち着く。近くのテニスコートでテニスをしている人たちが叫ぶ声は聞こえる。雨が降っているというのに、限られた休みだから諦めがたいの…