都会は矛盾に溢れてて大好き、疲れるけど

 

今週のこと

 

水曜日

www.perfectdays-movie.jp

 

仕事終わりに平塚の映画館に行く。ヴィム・ヴェンダース監督『PERFECT DAYS』を観る。主演は役所広司。『ベルリン天使の詩』が好きだけど、古典みたいな雰囲気の映画なので、今になって新作が観られるとは思わなかった。

映画はとても良かった。ここ何年かでも最高に良かった気がする。人間の成熟は、ほかのあり方を受容できるようになることにあるし、世界が苦悩に満ちているとすれば、生きていることは人生を肯定し続けることになるのだと思う。

あと曲も良かった。ルー・リードの(ほぼ)同名の曲。自分が生まれる前の音楽なのに、役所広司の演技を通してずっと知っていたような気分になる。「あなたが蒔いたものはあなたが刈り取らなければならない」と歌う。悪因は悪果を生み、善因は善果を生む。

映画のあと、昔の同級生に会う。ほとんど10年振りなので見分けがつくか不安だったけど、お互いに遠くにいるときからわかった。駅前の王将でご飯を食べる。近くで働いている別の元同級生も来て店を変えながら23時くらいまで話した。

 

木曜日

 

カメラが壊れる。10年くらい使っていたので仕方がない。藤沢駅前のビックカメラへ行く。オリンパスのカメラを使っていたのだけど、売り場にはなかった。栄枯盛衰。

カメラの機種は多すぎてさっぱりわからない。値段も10万円くらいから50万円近いものまである。売り場をうろうろしていたら店員さんが話しかけてくれる。30分近く話して、ニコンZ50を買った。レンズ2本セットで16万円くらい。最高のカメラだと思う。デザインもいい。机のうえに置いて眺めてられる。

ビックカメラ上の本屋でソール・ライターの写真集を買い、南口のプロントで読んだ。なんとなく満ち足りたような気持ちになる。

帰り、美容院に寄る。普段無口な店長がカメラ好きだったらしく、カメラの話になると異様なほどの饒舌になった。極端で驚く。でも僕は基本的に誰とであれ話ができるといいなと思っている。レンズを見せては有効倍率の話題に、ほかの製品との比較を矢継ぎ早にされて戸惑ったりはするけれど。

 

金曜日

 

雨(この週末は天気が悪かったですね)。カメラの試しを兼ねて、スタバまで30分くらい歩く。日頃通らない道を通ると、赤い前垂れをしたお地蔵さんを見つけた。極めてステレオティピカルなお地蔵さんだなと思う。スタバは混んでた。みんな雨で行くところがないのだろう。だからと言って1日家にいるのもなんだしね。

森山大道『路上スナップのススメ』を読み始める。前から持っていたのをひっぱり出した。カメラを買ったので。「とにかく撮れ」ということと「撮りたいものを探せ」ということが書かれている。おすすめ。

鈴木大拙『禅』も読んでるけど、一度置いている。面白いけど疲れる。「問いがあれば、問うものの主観を離れなければならない。問いを生じる前の自己を省察せよ」みたいなことが書かれてある。参ったね。

 

土曜日

 

友人をご飯に誘ったのだけど、どこか遠くにいるらしく断念。暇なので新宿に行くことにした。都内に出かけることが滅多にない。大きい本屋があったかなと思う。本屋はあちこちで無くなっていく。結果的に、新宿ではHALの下にすばらしい本屋があった。

都庁前でホームレスのブルーシートを見る。都会の矛盾を感じて好きだ。新宿中央公園からはホームレスは排除されていた。厳しいことをするなと思う。けれど、世界に矛盾のなかったことなどない。汚いものも見えないようにすれば綺麗になる。歌舞伎町のほうを回って2時間くらい歩いた。散歩だと思うとちょうどいい。

 

日曜日

 

つまり今日。連休が終わる。1日寒かったので、廃材を薪ストーブで燃やして暖を取る。少しずつ1日が進む。昔のロンドンハーツの映像などを観る。無駄な時間な気もする。2010年頃の有吉はおもしろいなと思いつつ、今もたぶんおもしろいのだろう。テレビを見ない(持ってない)のでわからない。

ともあれ、今週(というのかな)はとても良かった。来週も皆にとって良い週だといいと思ってる。

 

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