藤沢駅前の名店ビルがいつからあるのだろうと調べて、再開発で取り壊されることを知る。ちなみに1965年の創業だった。藤沢には、高校生の頃に予備校で来ていて、当時は都会のように思っていた。今になって見ると、人は多くてもすべての建物が古くなっているように感じる。再開発の対象になるわけだ。
高校のみならず予備校にも馴染めず、名店ビルの上階のゲームコーナーにしょっちゅう行っていた。予備校なんて誰に強制されるわけでもないのだから嫌なら行かなければいいのだけど、一方で規範に執着するよう気持ちもあった。親には迷惑な話だと思う。
名店ビルの奥の喫煙所は辺り一面が吸い殻だらけで、この世の敗残者みたいな人が集まっていた。ニュースを流し続ける大型モニターを眺める。たくさんの時間が流れていく。あそこにあった安心感が何だったのか、今ではよくわからない。
この奥に喫煙所があった。今は撤去されている。
この階段の上にゲームコーナーがあった。
袋小路の飲食街。意外に店が入れ替わっている。前にあったトンカツ屋がおいしかった。
奥田公園へ行く陸橋。紅葉が綺麗。付近の大型の建物は一斉に耐用年数の限界を迎えているように見える。
奥田公園のベンチ。パンなどを食べているとたまにトンビに盗られる。仕事をするようになって、いかに自分が働きたくないか、よくこのベンチで考えた。パンはトンビが食べた。
江ノ電の石上駅。素敵な電車。ただ休日などは地獄のように混む。
(たぶん)藤沢だけのスーパー。近所の店は業務スーパーになった。鵠沼駅前では健在。
「本日」は今日のことではないだろう。朽ちていく食品見本。老齢の店主が店のあった頃を思い出すのなら、幸せな夢のようだと良い。
高級住宅街のなかにたまに空き地がある。権利関係が複雑なのだろうか。
鵠沼方面では狭い道をけっこう車が走っていく。たまに不安になる。形のあるものに不安の対象が移ったことに、ある意味では安心している。