横浜橋商店街は、横浜市営地下鉄の阪東橋駅のあたりにある。たぶん割と有名な商店街だと思う。昔ながらの商店街という感じで、平日の夕方などにはたくさんの人がいる。
入口は大通り公園に面している。ベンチでビールを飲んでいたら、中国人が続々やってきて周辺で話し始めた。一瞬で異国みたいな風情になる。僕がいるベンチにも平気で座る。近い。文化の差だろうか。あるいは、僕が集会場所の闖入者だったのかもしれない。露骨に離れるのもなと思い、缶を飲み終えるまで中国語を聞いていた。意外に柔らかい話し声だった。
横浜橋商店街は全長が350メートルあるらしい。全体に昭和な感じがする。ダイソーなどのチェーン店もあるけれど、それさえ古臭く見える。それから、八百屋が多かった。八百屋の多さは普通には説明がつかない気がした。５，６件はあったと思う。ここでも至るところで中国語が話されていた。異国風の食品もあちこちで売られていた。
飲み屋もあちこちにあった。行ってみたい、でも１人では飲み屋に入れない。どれだけハシゴしても行ききれなさそうなくらいある。店は総じて古く、たぶん失われつつある。
アーケードからはずれる路地にも店があった。より難易度が高そうだった（入りにくいという意味で）。自販機の釣銭チェックをしている人がいた。すごく久しぶり見た。何か話しかけられたが聞き取れなかった。
もう一方の端は川だった。頭上を道路が通っている都会の川がなんとなく好きだ。そして都会の川はだいたい頭上に道路が通っている。土地の利用にすき間がない。市営地下鉄では阪東橋駅で「三吉演芸場前」とアナウンスがある。その演芸場が川のあたりにあった。これが例の、と有名人を見かけたような気分になる。
