知らない人の送別会

上司の送別会に参加した。周りはほとんど話したことのない人だった。平社員の側に都合のつく人が少なかったらしい。実際、その人たちとは、仕事のときのすべてを合わせたよりも、その日に話した時間のほうが長かっただろう。たまに言うことはなくなった。そんなときはボトルの焼酎を手酌で飲んでいた。上役の酒も作ったけれど、焼酎の適切な割り方は知らない。まちまちな濃さの酒を渡した。焼酎の味はどちらかというと苦手だ。それなのに、酔えば違いを感じられず、特に問題なくなってしまう。なんでもいいですよ、と言った。本当になんでもいいのだ。

 

率直な物言いをする、みたいなことを言われた。社会人としては、大方がなんらかの警告を感じるところだと思う。ただ、一つにはそういうニュアンスには聞こえなかったし、二つには仮に警告だとしてもあまり問題がなかった。飲み続けていれば楽しくなる。

 

暖かくなったと思ったら寒い。今日なんかは外にいるのがかなりしんどい日だった。仕事で新しく来た人の面倒を見なければならなかった。よく喋る人だった。自然にしていると話すのは億劫になるので、むじろ良かったのかもしれない。ある程度のあいだ黙っていると、話すきっかけを失う。ずっと黙っているとクサクサしてくる。

 

良く晴れた日に、近所の草原でツクシなどを探してみたけれど、まったくなかった。多分まだはやい。それではいつが時期なのかというと、検討もつかない。毎年、気が付くと出てきている。もう春なのかと思い、それから忘れて、翌年にはまた驚く。何度も繰り返している。