公衆電話

美容院のまえで時間が30分早いことに気付いた。近所をうろうろ歩いた。30分と言っても、ただ歩くとそれなりの距離になる(2キロくらいだった)。犬の散歩をしている人が多い。ただ歩いている人はあまりいなさそうだ。

 

公衆電話を見かけると「こんなところに」と思う。この何年かでも明らかに減っていってる。道の途中や、建物の片隅に、公衆電話が置かれていただろうスペースを見つける。それは不思議な空白だ。

 

団地を横切るかたちで道があった。そして、その端には公衆電話がある。と思ったら、ボックスのなかに電話機はない。

 

「故障中」と貼り紙がされていたが、修理が終わることはない気がする。団地の間の道なので、通るのはほとんどが団地の人だろう。そして、主にはその人たちが使った電話機なのだろう。役目を終えてどこかへ行ってしまった。安らかに。

 

美容師さんから、飼っている鳥の話などを聞いた。どうやら最後に髪を流すのを忘れられた。帰ってすぐ風呂に入るので問題はない。年末で客がたくさん来るそうだ。みんな同じようなことを考える。髪くらいは切って、さっぱりと新年を迎えたい。

 

(公衆電話の削減は国ぐるみで議論されてるらしい。そうなんだ)