異動の季節

10月、職場に異動があって新しい人が増えた。僕は黙りがちな人間なので、ちゃんと接せられるか不安だったけれど、業務で直接関係することがきっかけになり話をした。いい人だった。よくあることだ。

 

むしろそこで話したことで勢いがついて、滞っていた調整などを進めた。中学生のときに習った慣性の法則と同じで、黙っていると黙ったままになるし、話しはじめれば続けられる。大人としてどうかとは自分でも思う。仕事なので気乗りしなくてもやります、くらいであるべきだった。

 

電車のなかで、隣に立つ人は正面の席が空いても座ろうとしなかった。僕も何となく座らずにいた。その内に少し遠くの人が座ったけど、そこにお婆さんがやって来て、譲るとかすぐ降りるからとか押し問答をしていた。座らずにおいて良かったと思った。皆んな優しくて立派なことだった。