近所の団地

家の近所に割と大きい団地がある。そのあたりを自転車で通った。たまに通る道だけれど、夜になるといつもと違う場所のような感じがする。団地の窓の明かりはあっても全体に暗い。たくさんの人が住む団地であっても、思っていたよりしっかり夜を享受していた。

 

ペースの速いランナーとたびたび一緒になった。信号待ちで追いつかれ、写真を撮ろうと止まると追い抜かれる。すごく速い。何となく、ランナーが見えなくなってから写真を撮ろうと思った。正面に給水塔が写っていた。

 

最近カルマのことを考える。善因は善果を、悪因は悪果をもたらす。自分が感じる悪い感情による業は、自らが引き受けなければならない。それにしても、ランナーと10分以上一緒なのは少し気まずい。

 

ドトールがあったのでテラス席で本を読んだ。ランナーも同じくらいのタイミングで角を曲がってどこかへ走って行った。いずれにせよ別れる運命にあったのだろう。外は暗かったけれど、たまに歩く人の話し声が聞こえた。楽しそう。

 

わりと最近のことなのに、何の本を読んでいたのかは思い出せない。撮った写真を見て、そこに給水塔があると気がついたときの感じだけは印象に残っている。