横浜みなとみらい地区の赤レンガパークから子安駅のほうまで歩いた。長い距離ではないけれど、その間に景色がかなり変わる。世界がどのように成り立っているのか、ある程度の幅を見られる感じだと思う。歩いた経路はだいたい下の地図の感じなのだけど、経路を近づけるために目的地を複数入力している。それには特に意味はありません。
赤レンガパーク ~ パシフィコ横浜
赤レンガパークはクリスマス前なので、関連した催しをしていた。たいへん賑わっていた。入場にはチケットが必要らしく、販売所は長蛇の列だったけれど、目玉になっているツリーは一応外からも見えた。
同じ赤レンガパーク内なのに、急に人通りが途絶える区画がある。そういうところが好きでよく通る。不思議な感じもする。植栽帯の向こうは人でいっぱいなのだから。写真に写っているのは昔の駅らしい(写真上)。明治時代まで横浜港駅があったとか。横浜のこちら側にはもう貨物支線はないけれど、子安側にはまだあちこち走ってる。横浜ハンマーヘッドのなかを通って、パシフィコのほうに向かう。インターコンチネンタルホテルが正面にある(写真下)。
パシフィコ横浜の裏側(というか臨港パーク)を通った。このあたりは地図がルートとして認識せず、みなとみらい駅のあたりで表通りを歩いていることになってる。実際に歩いた道は、地図が認識しないだけあって、ほとんど誰もいなかった。周りの建物は都会のそれなのに、誰もいなくなったみたいだ。そんなのはかなり特別な感じがする。
パシフィコ横浜 ~ コットンハーバー
パシフィコの先の横浜臨港幹線道路は橋で向こうに渡れた。地図を調べないで歩いていたので半信半疑だった。橋の手前でみなとみらい地区の外れを見られる。建物が途切れ一面のすすきの原になる(写真中)。そのうちに建物が建つまではここが街の終わり。橋の向こうで歩行者通行止めになる。地図の卸売市場で曲がっているあたり。
横浜中央卸売市場に沿った細い道を通った。一見して市場関係者専用かと思ったけれど、案内板によるとちゃんとした道だった。コットンハーバー方面からはけっこう人が歩いてくる。金網の向こうでは市場内を軽車両が行きかっている。照明はどこも最小限(写真上)。コットンハーバーはただのマンション群だけど、古い住宅街の風景に急に現れて違和感がある。その違和感が好きだ。何十年も前からあるだろう三井倉庫とコントラストになる(写真下)。
コットンハーバーの先で貨物支線の踏切を渡った。貨物線なので、そんなに頻繁な往来はしないけど、たまにすごく長い列車が通る。踏切は閉まったままになる。それなりに壮観だ。この日は貨物列車は通らなかった。遠くに横浜中心地の夜景が見える。
コットンハーバー ~ 子安方面
子安駅のほうに向けて歩く。神奈川区。幹線道路ではなく運河に沿った道を選んだ。風景が完全にかわる。家も通りもだいたい古い。たまにある新しい家は代がかわったのだろうかとか考える。運河にボートが係留してあった。貸しボート屋がほうぼうにあるらしい。たぶん釣りだと思う。
道が狭い。歩いている道も狭いし、幹線道路に接続する脇道はもっと狭い。けれどその道もすき間なく建っている家にとっては唯一の接続道であり、公道として機能している。間もなくなくなってしまうなと思う街並みがなかなかなくならない。と思うと、広い空地があり、看板にマンション建設中とあったりした。これからの工程は杭打ちとのこと。
子安方面 ~ 神奈川新町駅
運河沿いの道が途切れた。ちょうどいい気がしたので、第二京浜を通り、神奈川新町駅に向かった。相変わらず、治安のいい感じではない(写真上)。人が生きてる感じがして割と好きだ。大口の商店街の前を通った(写真中)。あまり人はいない。月曜日の夜にはそんなに人通りがないのかもしれない。ただ古くからありそうな飲み屋では、常連ぽい人が酒を飲んでいて満席だった。入ろうとは思わないけど、なんだか安心する。
神奈川新町駅。手前の踏切があってその向こうが京急線の車両基地になっていた。それまでの暗い道から、急に強い照明が現れた。ちょっと神々しいようでさえある。
地図で見ると7キロくらい。うろうろしたので2時間くらい歩いた。みなとみらい地区は整然とした都会(商店地域さえ整然としている)なのに対して、子安方面はごちゃごちゃしている。どちらにも人間は住んでる。ちょっと歩くだけで両方が見られて、その両方が好きだ。