水没する鉄塔

先に水田があったのだと思う。それから鉄塔を建てさせてくれと、東電が言い始めて、区画が不思議な感じで区切られた。鉄塔のまわりは、5月の一時期だけ水没しているみたいになる。

 

花形とは言い難い、バックオフィス的な部署に異動になる。まわりからは「あそこはトラブルになっているから期待されてるはず」「前にいた部署の人に感謝されてましたよ」とか、いろいろとメッセージをもらった。慰められているのだろうか。そう思ってくれるのは嬉しい気がする。

 

今日も在宅勤務だった。家から一歩も出ていない。雨が降っていて、たまに強くなったりもしていようだけど、室内からだとわからない。庭土が少しずつ湿り気を増していって、肥料にと撒いた灰を溶かし流していくのを見ることで、ようやく雨の強さを感じる。音はしない。近隣には人が住んでいないし、通りかかるものもほとんどない。

 

鉢植えのユーカリを庭に移植しようとしていたけれど、枯れたようになっている。調子が悪いらしい。物置の話を妻とした。好みがあっていない気がする。

 

妻は咳ばかりしていて、調子が悪そうに見える。子供が謎のトレーニングメニューを案出して、付き合わされる。プランクを1分、ランジ15往復など、妙にしっかりしているうえにきつい。ユーチューブで見るのだろうか。娘は「かわいくてごめん」などと言って歌っていた。陽気な人たちだ。

 

明日からは職場に行かなければいけない。本当は雨に水没する鉄塔を見て、子供の歌などを聴いていたいけれど、しょうがない。食事を食べなければ生きてはいけない。家できっちり働いているかと考えれば極めて微妙なところだ。妻は咳ばかりしている。