たき火が好きだ。たき火が好きなのは、火が燃えているから。そうとしか言いようがない。それは太古からの欲求のようなもの。

 

ジャック・ケルアックの小説に「火を熾す」という傑作がある。

 

簡単に、簡単な気持ちでネタバレをすると、アラスカあたりの疎隔の土地で、厳寒のなか、遭難した人と犬が火を熾さなければ死ぬという状況に陥る。けっきょく火を熾すことはできない。人は死ぬ。犬は生きる。犬は野生の側にある。

 

その傑作がいつも頭のなかにある。

 

僕は11月上旬の相模湾を目の前にしている。ここは少し肌寒い程度。そして火を熾す。

 

半島には残照。それから街の明かりが存在感を増していく。

 

夜になって、たき火をしているとすごく酔う。いくらか話すのを除けば、あとは飲むくらいしかやることがないからだろう。

 

イワシを焼いてみた。とても美味しかった。