小田原城址公園に行ってきた。城は子供の頃の記憶よりも白くて、なんだか急に金を持った社長が建てた家みたいだった。後で調べてみたら、天守はRC構造で再建。鉄筋コンクリートときた。

 

天気が良くて、風は涼しく、みんなのんびりしていて公園はすごくよかった。鳩が飛びまわり、誰かが落としたアイスクリームのコーンに群がる。平和の象徴がたまに食料の奪い合いを演じる。幼児が鳩の群れに走り寄る。そういったことが、いま思い出すと死ぬ間際に見る白日夢のようで、たとえそうであったとしても割と幸せだったと感じられるかもしれない。

 

人がその人自身の生活を送っているというのは不思議な話だとたまに感じる。あの人たちに会うことは二度とない。あったとしても認識できない。スタバで友だちにプレゼントするタンブラーを選んでいた大学生くらいの青年たちの、向後を知ることはない。

 

浮かれた人たちが貸し衣裳でウロウロしている。猿は臭う。小田原城では、天守の目の前に猿山がある。その天守はコンクリート製だ。脇が甘いというか、独特な垢抜けなさがそこにはある。それでもいいと思う。僕にとっての城は、まず小田原にある。